未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案について
--------------------------------------------------------------------------------
○田嶋陽子君
社民党の田嶋陽子です。
まず、年齢が二十歳というのはわからないですね。何で二十歳なんですか、これから民法改正で、例えば十八歳から結婚をというようなことがある時期に。学生の立場に立つと、高校を卒業したらたばこもお酒もオーケーというような、それを楽しみにしている学生もいると思う。私は、たばこ吸うこと賛成と言っているわけではないんですけれども、学生たちにとってはそういう心のけじめがあるのに、何で二十歳なのか、そこが一つわかりません。教えてください。
--------------------------------------------------------------------------------
○衆議院議員(佐藤剛男君)
私も推察の域を出ないんですが、この法律は、喫煙防止法の方は明治の議員立法であります。それから、酒については大正時代の議員立法であります。いずれも片仮名であります。そして、当時において、今、先生おっしゃるように、民法を改正して、女性十六歳、男性十八歳を、十六を十八に切り上げるのはどうかという議論もある中で奇異に感ぜられるかもしれませんが、一つのそういう時代背景をもとにしたものでございまして、今回の改正はそれを前提に進めているものでございまして、二十歳をどうするという形まで入り込んでおりません。
--------------------------------------------------------------------------------
○田嶋陽子君
それから、私はお店の人の負担が大変だと思うんですね。私が考えるには、もし私が、どうしてもたばこが欲しい、子供でしたら、たばこを売らない、IDカードを見せる見せないのことでもしかしたら夜中にその店を襲うかもしれないですね。昔のラッダイト運動みたいに機械壊しをやったり、今子供たちが数人でホームレスの人をやっつけたり殺したりするのと同じで、もしかしたらそういうことが起きるかもしれないということを発議者は想定なさっていらっしゃるんでしょうか。
--------------------------------------------------------------------------------
○衆議院議員(佐藤剛男君)
そこが、田嶋先生のおっしゃる点を、そういう紛争みたいなものが起きない、けんかが起きない、そして円滑に成年者はたばこを買え、そして二十歳未満の者は買えないという形をしたものが今日のものでございます。
私ども考えておりますのは、二十歳未満と思われるお客さんがレジに寄ってくると、たばこ、酒を持ってですね。そうしまして、明らかに未成年とわかりました場合には、未成年者に販売できないんですが、失礼ですが二十歳をお過ぎでしょうかと声をかける。あるいは、明らかに未成年だと思われるのに二十歳以上であると答えた場合には、恐れ入りますけれども年齢を確認できる身分証明書かあるいは運転免許証などをお持ちですかというふうな言い方をすると。それから、親に頼まれたというような場合もあるわけでありますが、そのときは、お手数ですが念のためお名前と電話番号をお聞かせくださいというような形の一つのマニュアルをフランチャイズ協会とかそういうものはつくっておりまして、そういうもので販売するレジの方の指導をいたしております。
ですから、もめごとがあってけんかにでもなるとかなんとかということがないような形で応答しながらやる話でありますが、最悪の場合、このやろうあのやろうというような話になれば、これまたこれは最終的には警察の指導を仰ぐということにならざるを得ないと思っております。
--------------------------------------------------------------------------------
○田嶋陽子君
それから、年齢確認の方法として私はちょっと思いつかないんですが、みんなが運転免許を持っているわけでないし、何でやるんですか。それともう一つは、ここに新聞記事がありまして、「自販機メーカーが費用を負担する計画だ。」とあるんですけれども、膨大な費用がかかるわけですよね。二〇〇八年をめどに全国導入とあるんですけれども、これ、自販機メーカーが費用を負担するって一体、その企業の目的って何なんだろうというふうに考えるんですけれども、そのことと二つお願いします。
--------------------------------------------------------------------------------
○衆議院議員(佐藤剛男君)
これは酒とたばこでは自動販売機の取り扱いについて違いがあります。酒については、今、全国の中央会というのがあるのでありますが、そこの会長を初め、一つの信念といいますか精神がありまして、むしろ自動販売機を撤去する、こういう決議をなされて逐次むしろ自動販売機がなくなってくるというのが酒の方でございます。
それから、たばこにつきましては、これは結構おじいちゃん、おばあちゃんのお店が多うございまして、三十万店ぐらいのお店があるんですが、そのうちの四分の三は六十歳以上の経営者でございます。それで、たばこを買いに来てサムタイムなんというたばこを言われても英語がわからないというので、それで自動販売機の方にあった方が非常に楽であるということで不可欠なようなものになっていたりいたしておるわけでございます。
--------------------------------------------------------------------------------
○田嶋陽子君
それから、先ほど国務大臣が、家庭におけるしつけが大事、学校での、社会でのと。私もたばこを吸っていましたけれども、十年ほど前にやめました。五日でたばこをやめる学校というのがありまして、行ってやめたんですけれども、たばこを吸っていてやめるのは非常に大変なんですね。ですけれども、家庭のしつけといいますけれども、お父さんがたばこを吸っていて、あるいは大臣たちがたばこを吸っていて、学校の先生がたばこを吸っていて、あんた未成年だからよせという理屈は今の子供たちには実は通じないんですよね。
それから、刑事物で、みんなおいしそうにたばこを一仕事終えて吸っているようなそういう刑事物を、陰でこそこそ吸うとかそういうシーンがあるのならまだいい、分煙室があるのならまだいい、格好いい男のシンボルとしてたばこを吸うことだという、そういう固定観念をテレビその他で広く広く知らしめているような状況で、こういう法律は非常に偽善的で私は矛盾に満ちた法律だと思うんですね。
たばこを吸わないことは賛成ですが、このやり方は余り賛成できません。どう思われますか。
--------------------------------------------------------------------------------
○衆議院議員(佐藤剛男君)
どうもこの問題になりますとかなり、吸う人と吸わない人、また個人的ないろいろ信条があるんじゃないかと思っております。
たばこについて言いますれば、御承知のように、WHOという国際機関がそれについて縮減の方向でいろいろやっておる。それから国によっても、カナダのオタワあたりでは一本吸いますと五十万円ぐらい取られるとか、いろいろなあれがあります。日本の場合についてこれをどうするのかという問題については、日本は別にたばこを禁止しているわけじゃございませんし、それから、御承知のように、たばこを耕作している人たちというのは農業関係で一つのキャッシュフローでたくさんあるわけでございますし、ですから、そういう意味ではこの法律の、明治の法律の体系でやる限り、今ちょっと合わない部分があるかななんて思われると思いますが、私もそれは否定しませんけれども、そういうたばこ問題について社会的管理をどうするかというのはまた別の次元でお考えいただきたい。この機会に私が答弁するのはいささか適当でないと思っております。
--------------------------------------------------------------------------------
○田嶋陽子君
今のお話は全部逃げだったと思います。
私は、やっぱり日本国内でこういう法律をつくるのなら、日本国内でいろんな整合性、調合性を持ってやっていかないと子供たちは納得しないと思うんですね。ですから、こういう法律をおつくりになるんだったら、ほかの面でもあらゆるところで少しずつ、私らはこれだけみんなの健康を考えて努力しているんだよと、禁煙教育も徹底して取り入れたら、子供たちは怖がって吸わなくなると思うんですね。
ですから、その辺も徹底する姿勢を見せていただきたいと思います。カナダやどこかへ、WHOへ飛ばないでください。ここでできることをまずやっていただく、その努力を見せていただきたいと思います。
--------------------------------------------------------------------------------
○委員長(佐藤泰介君)
御意見でよろしいですか。
--------------------------------------------------------------------------------
○田嶋陽子君
はい。
--------------------------------------------------------------------------------
○衆議院議員(佐藤剛男君)
御意見として承らせていただきます。